矯正治療が必要な歯並びをご紹介します

「出っ歯」「受け口」「すきっ歯」などの悪い歯並びのことを「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます。不正咬合は見た目の悪さだけではなく、以下のような様々な問題が生じることがあります。

  • 食べ物がしっかり噛めない
  • 発音に支障が出ることがある
  • 虫歯や歯周病になりやすくなるケースがある
  • 口臭の原因になることがある
  • あごの関節に負担がかかる
  • 歯が折れたり、ケガをしやすくなったりする
  • 見た目が気になり、コンプレックスを招く   ほか

こういった問題を未然に防ぐために行うのが矯正治療です。矯正治療では、装置を用いて歯やあごの骨に力をかけ、ゆっくりと歯並び・噛み合わせを改善していきます。不正咬合の問題点は見た目だけではありません。歯並びが気になる方は、八王子市歯医者「市川矯正歯科医院」までご相談ください。

当てはまる歯並びはありますか?

次の歯並びの中に当てはまるものはありませんか? このような歯並びは、矯正治療が必要になる可能性があります。お子さんはもちろん、親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんまで、家族みんなでチェックしてみましょう。

  • 上顎前突
  • 反対咬合
  • 上下顎前突
  • 交叉咬合
  • 空隙歯列
  • 叢生
  • 過蓋咬合
  • 開咬

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突
いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態で、上の前歯、もしくは上あご全体が前方に突き出している歯並びです。原因には遺伝のほか、上下のあごの成長バランスのくずれや指しゃぶり、口呼吸といった日常のクセなどが考えられます。

反対咬合(はんたいこうごう)

反対咬合
いわゆる「受け口」と呼ばれる状態で、下の歯列が上の歯列より前に出ている歯並びです。原因には、下あごの過度な成長や上あごの成長不足、また上の前歯が内側に傾斜していることなどが挙げられます。食べ物がうまく噛めない、発音がしにくいといった問題が生じます。

上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)

上下顎前突
歯列が上下とも前に突き出している歯並びです。唇が閉じにくいうえ、転んだときに前歯が折れやすくなります。また唇を噛みやすく、お口の中を傷つけてしまうこともあります。

交叉咬合(こうさこうごう)

交叉咬合
上下の歯列の一部分が交叉している歯並びです。奥歯または前歯が左右にズレて、奥歯で食べ物をすりつぶしにくくなります。また前歯の中心がズレると、顔がゆがむこともあります。

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列
いわゆる「すきっ歯」で、歯と歯の間にすき間がある状態です。その原因には「あごに対して歯が小さい」もしくは「歯の本数が足りない」といったことが挙げられます。食べ物がはさまりやすく、目立つといったデメリットがあります。

叢生(そうせい)

叢生
歯が重なり合って生えている、デコボコした歯並びです。多くの場合は歯の大きさに対してあごが小さく、きれいに並ぶことができずに起こります。「八重歯」も叢生の一種です。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合
上の歯列が下の歯列を深く覆ってしまっている歯並びで、「オーバーバイト」とも呼ばれます。食べ物が噛みづらい、発音がしにくいといった問題が生じます。

開咬(かいこう)

開咬
奥歯を噛み合わせても、上下の前歯が閉じずに開いている歯並びです。食べ物を噛み切りにくく、空気がもれて発音に支障が生じることがあります。原因には、指しゃぶりなどのクセも挙げられています。

矯正治療がスタートしたら

当院では矯正治療がスタートした後、次のことを行っていきます。

矯正装置の装着 マルチブラケット(歯の表面に取りつけ、ワイヤーを通す一般的な矯正装置)による治療は、正確な操作が要求されるため、じっくりと時間をかけて装着します。その後、装置装着に伴う虫歯発生を防止するためフッ素塗布を行い、歯質を強化します。
矯正装置装着後の
説明
装置の扱い方からブラッシングの仕方、また起こりうるトラブルなど、パンフレットで確認しながら時間をかけてご説明します。お子さんの矯正治療で、当日保護者の方がいらっしゃらない場合には必要に応じて電話連絡し、ご説明・確認をさせていただきます。
矯正装置装着後の
電話連絡
装置を取りつけた日の夕方~数日以内に、お電話にて装着後の状況を確認します。また、ご質問などがあれば、些細なことでもけっこうですので伝えください。必要に応じて対応策や来院などの指示をさせていただきます。
矯正治療の経過説明

定期通院では装置の不具合や心配なこと、またブラッシングの状態などを確認し、ご質問などにもお答えします。その後に治療内容をはじめ、今後の治療についてご説明します。

装置によってはご自分で装着するものもありますので、初回はもちろん、治療期間の途中でも装着の練習や確認を行います。「忙しくてどうしてもできない」「何度言っても子どもが使ってくれない」といったお悩みがありましたら、率直にご相談ください。

なお、装置の使用時間や効果の現れ方には個人差がありますので、短期間でも効果が現れたり、逆になかなか効果が出なかったりケースもあります。どうしていったらいいのか一緒に答えを探し、最後までがんばっていきましょう。

矯正治療中の写真や
レントゲンの撮影

治療途中や終了時にもレントゲンやお口の中の写真撮影を行います。矯正治療は長期にわたるため、お口の中の写真やレントゲン写真を半年から1年ごとなど定期的に撮影し、治療効果を確認したり、成長量の把握などを行ったりするためです。

撮影した資料を使い、ご本人や保護者の方へご説明を行い、治療に対する理解を深めていただくとともに不安解消を図ります。また、治療前の写真と比較することで、効果を実感できて「やる気」にもつながります。

矯正した歯並びを後戻りさせないための「保定治療」

矯正治療によって歯を正しい位置に移動した後、美しい歯並びで固定する「保定治療」を行います。保定治療では、「リテーナー」という保定装置をお口に装着します。

矯正治療を続けてきて、装置が外れてほっとした瞬間、「また装置をつけなきゃいけないの?」とお子さんだけでなく大人の方でも、ちょっとがっかりされるかもしれません。これは治療を行う私どもでさえ、忍びなく感じています。

しかし保定治療は、長い間頑張ってきれいにした歯並びを、もとに戻さないために必要な治療です。最後までしっかり続けましょう。

保定治療に対するQ&A

Q1装置をつける期間はどのくらいですか?
A1矯正治療開始前の姿を思い出してください。その変化の大きさに驚かれると思います。しかし、大きく変わったということは戻る力も大きいということです。保定治療をしなかったら、せっかく美しく整列した歯並びがもとに戻ってしまう可能性もあります。
Q2保定装置をつけなくても済む場合はありますか?
A2必要がない可能性もありますが、現段階では保定治療の有無を決める検査方法がありません。そのため、当院では矯正治療を受けられた全員の方に保定治療を行っています。
Q3どのような装置になりますか?
A3自分で取り外しができる「歯がついていない“入れ歯”」のような装置と、自分で取り外しができない「歯の裏に取り付ける細い針金」のような装置の2種類です。オプションとして、より自然で、装着感のよいタイプなどもご用意しています。
Q4装置をつける期間はどのくらいですか?
A4保定期間は数年ほど必要だと考えられており、矯正装置を外した直後から1年ないし1年6ヶ月間は一日中装着していただきます。また、前歯の裏側に貼りつけた装置については、年に1度くらいの点検が必要です。
Q5矯正後の歯並びは一生変わらないのでしょうか?
A5

世界中の矯正医に聞いても、「変わりません」と断言できる歯科医師はいないはずです。しかし、矯正治療をしていない方に、「昔から歯並びはまったく変わっていませんか?」と聞いてみてください。中には「昔はまっすぐだったのに、少しずれてしまった」といった変化を感じている方がいるはずです。

矯正治療の有無にかかわらず、人間の歯並びは変化する可能性がります。私たちは、患者さんのご負担が少なくするため、矯正治療後の歯並びの維持法を提案しています。

Q6なぜ歯並びが変わってしまうんですか?
A6

矯正治療は力をかけて歯を動かし、骨の形を変えていくものです。そのため悪い習慣があって常に歯に力が加わっていれば、歯が動いてしまう可能性もあります。次のような習慣・クセなどは、歯並びを乱す原因になることがあります。

  • 歯ぎしり(音の出ない食いしばり、音の出る歯ぎしりなど)
  • 唇をいつも開けている
  • 舌を歯と歯の間に突き出す、またははさんでいる
  • 睡眠時の姿勢
  • 特殊な労働環境(いつも上を向いた作業をしているなど)
  • なにかをいつもくわえていたり、爪を噛んだりしている  など

これらのクセは生活習慣と密接に関係し、ご本人でもなかなか気づかないことがあります。そのため、私たちも原因を究明できない場合があります。そこで、治療後にも長期的に保定装置を使っていただき、より確実な矯正治療を当院では推奨しています。

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